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誕生日には麺類を食べると幸せになれる、っておばあちゃんの教え通り、イタリアンレストランでスパゲティを食べていたジローの前に天使のようなキュートな女の子が現れた。どこかで出会っていたような、すべてを知っているような彼女。「あなたの誕生日だもの」と、払うと見せかけて逃げ出す彼女を追って一緒に追われるうちに楽しいデートみたいになった二人。ところが、イミシンな言葉を残して彼女は別れを告げた。「後姿を見られたくないから、目をつむっていて」。はなれたところで、本当に目をつむっていたの?ときかれて、「あぁ、」と答えるジロー。「バカじゃないの?」といわれて「だってバカだから」と答えるジロー。映画の始めで観るこの場面はとても軽妙で笑えてしまうのに(この場面から時間の流れが交錯するはなしなの)、ラストに見返す同じ場面ではつい胸があつくなって息が苦しくなる。ヒトの想いって不思議。恋愛ってなんだろっ?。相手がサイボーグって壁がなくても、好きって気持ちを相手がうまく受け取ってくれるとは限らない。いや、ヒトはウソをつく生き物だから、経験知を上げるサイボーグのほうが期待はもてるのかも。小出恵介は最後までジローの切ない片思いを昇華させる。いつもそばにいて守ってくれる綾瀬はるかを「友達」と紹介するほど控えめに。彼女を見るその眼差しはそれより多くのことを語っているのだけれど。サイボーグの綾瀬はるかはまったく文句のつけようもなくキュートで美しく出色の出来。俗にいう眼力ってやつなのか四役こなしてしかもサイボーグと人間の違いも演じてみせるとは。 |
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